バッ直電源の取り出しと車内への配線引き込み

Z12キューブ
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こんばんは、クルマを運転する時間よりもクルマをイジっている時間の方が長いサンデードライバーのせきねさんです。新型ウィルスが流行りだしてからは実家に帰る回数も減り、クルマを駐車場に止めたまま2~3週間動かさないなんて事が増えてきたので(動かしても近所のスーパーに行くだけ)、その内バッテリーが上がってしまうのではないかといつも心配をしています。
と言うことで、バッテリーの充電不足を少しでも補うために・・・


↑「ソーラーバッテリー充電器」を購入してみました。
この製品のソーラーパワーによって発電された電気を最も効率良くバッテリーへ届けるために、今回は車内からの配線をエンジンルーム内のバッテリーへ直接接続する作業をキューブ(Z12)で実施してみようと思います。クルマいじり作業で言うところの「バッ直電源取り出し」とか「配線引き込み」と言った作業にあたるかと思います。

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「バッ直」と配線

クルマいじりをしている人が「バッ直」と言う言葉を使ったりするのですが、これは「バッテリー直接」を略した言葉になります。
多くの場合エンジンルーム内にバッテリーを積んでいるので(トランクにバッテリー積んでいる車もありますが)、クルマの車内で電源を取り出そうとした場合・・・

↑ナビ裏のオーディオハーネスやシガーソケット、ヒューズボックスなどから電源を取り出すのが最も一般的です。ですが、もともと設置されている車両ハーネス(配線)を通した電気ではなく、バッテリーに直接接続した新たな別配線を用意し、それを車内に引き込むことを「バッ直」とか「バッ直電源」と呼んでだりしています(バッテリーから直接電源を取ること)。

夜間にエアコンやパワーウィンドウのスイッチをONにするとルームランプやヘッドライトが一瞬暗くなることがありますが、あれは複数の電装品が同じ配線というか同じ経路上に繋がっている為で、ひとつの機器が大きな電気を使った瞬間に他の機器の電圧が下がってライトの明るさに影響を与えてしまっている訳です。バッ直電源の取り出しを行う事で、他の機器の影響を受けない安定した電源を確保できるようになるので、大電流の電装品や大音量のオーディオ機器を使いたい時などにバッ直電源の取り出しを行う事が多いです(オーディオの「音質」が向上(安定)したりもするので、オーディオ目的でバッ直電源を確保するケースが多い気がします)。

またバッ直する際に使用する「配線(ハーネス)」についてもオーディオマニアの方は・・・


↑大電流に耐えられる極太の配線を使用したりします。画像は8スケアのケーブルが使われたバッ直用として人気のあるオーディオテクニカの電源キット「TPK-800」。
(スケア(sq):電線の太さ表すJIS規格の指標で数値が大きい程太くなりますが、お値段も比例して高くなります)

今回せきねさんの場合は単にソーラーで発電した電気をダイレクトにバッテリーへ届けいたいだけなので、そんなに極太ケーブルは必要ない訳ですが、まぁ太い方が耐久性も高いですし後々ソーラー以外の目的にも利用できる事を考慮して・・・


↑手持ちのケーブルの中で一番太い「2スケア(sq)」のケーブルを使用することにしました。太ければ太い程良い訳ではありますが・・・



↑配線の接続時に利用する一般的な「ギボシ端子」は、太さ最大2スケアまでのケーブルにしか対応していないので、オーディオ目的で使う極太ケーブルを除けば、2スケアのケーブルで十分かと思います。


↑ちなみに、エーモンの「電源取り出しコード(ITEM No.E341)」だと1.25スケアのケーブルが使われていたりします。あまり太過ぎると車内への引き込みや配線の取り回しに苦労するので、扱いやすい太過ぎず細過ぎずないケーブルが採用されているのだと思われます。
(せきねさんもこちらの電源取り出しコードを使おうかと検討したのですが、防水で固定できるタイプのヒューズボックスにしたかったので今回はパスしました)

エンジンルームと車内をつなぐ配線引き込み作業(Z12キューブ)

さて「バッ直電源取り出し」を行いますが、まずは用意した電源ケーブルを車内へ引き込む作業を行います。本当はエンジンルーム側から車内へ配線を引き込むのが一般的なようですが、キューブの場合エンジンルーム側に手が入るスペースがなかったので、せきねさんは逆方向で配線を車内からエンジンルーム側へ引っ張り出す事にしました(やっていることは同じです)。

グローブボックスの取り外し


↑まずはバルクヘッド(エンジンルームと室内を隔てる壁のこと)へアクセスする為に助手席の「グローブボックス」の取り外しを行います。


↑グローブボックス下の3本のネジ(スクリュー)を取り外します。


↑続いてグローブボックス内中央にある2本のネジを外します。


↑最後にグローブボックス内上部にある4本のネジを取り外して、グローブボックス全体を手前に引くと・・・


↑グローブボックスが外れます(落ちてきます)。

グロメットへの穴あけ


↑グローブボックスを取り外すと内部はこんなふうになっています。バルクヘッド(エンジンルームと室内を隔てる壁)側は吸音材でおおわれているので・・・


↑吸音材に切り込みが入っている箇所をめくります。そうすると・・・


↑メインハーネス(主要な配線をまとめて束にしたもの)用の大きな「グロメット(配線を通すための穴が開けられたゴム栓)」が現れます。
このゴム製のグロメットに「穴」を開けてそこに配線を通します。


↑せきねさんは先の尖った「(怪しい)工具」を用意して、こいつでブスっと穴を開けることにしました。ですが、重要なメインハーネスが通るグロメットに「穴」を開ける訳で、万が一メインハーネスに傷を付けて断線させてしまうと最悪クルマが動かなくなる可能性も十分あるので注意して作業を行ってください。


↑中央にはメインハーネスが通っているので、端っこの方にゆっくりと(怪しい)工具をぶっ刺します。あまり端っこ過ぎてもバルクヘッド(ボディ)が干渉するので端っこ過ぎない端っこにぶっ刺しました。また、あまり奥まで勢いよく差し込むとエンジンルーム側の配線に傷を付けてしまうので軽く穴が開く程度で良いのでゆっくり慎重に穴を開けてください(先の尖った(怪しい)工具が無い場合はカッターなどで少し切り込みを入れた後にプラスドライバーを突っ込むと良いと思います)。

それと、車内側から見た場合はグロメットの中央に配線がしっかり束ねられているように見えますが、エンジンルーム側から見ると・・・


↑エンジンルーム側にはわずかなスキマしかなく、ほぼ見えませんが・・・


↑実は配線が剥き出しのバラバラ状態で樹脂に固められているだけだったりするのでびっくりします。


↑(こちらは後日バッテリーを取り外した際に撮影した画像です)エンジンルーム側はテープで束にまとめられていません。本当に慎重に端っこの方に穴を開けないと危険です。

エンジンルーム側のスペース確保


↑エンジンルーム側から見ると、先ほど穴を開けたメインハーネスのグロメットはエンジンルームの奥深くにあり全く見えません(だいたい赤矢印の位置にある)。グロメットをしっかり確認するにはバッテリーを外し、その後エアクリーナーBOXも外す必要があるのですが、そこまでやるのは面倒なので、グロメットがある程度見えるまでスペースを確保しようと思います。


↑まずはエアクリーナーホースを取り外すために、赤矢印のクリップ2つを取り外します。また、青矢印の位置にはホースを固定している突起があるのですが、差し込まれているだけなので、上方向に持ち上げればすぐに抜けます。


↑ホースの根本がエアクリBOXに刺さっているので、赤矢印のホースの根本を軸にしてホース全体を回転させるように上方向(青矢印方向)に持ち上げると・・・


↑ホースが取り外せます。


↑ちなみにホースの中間部分は単なるハメ込み式なので簡単に分割可能です。


↑あとは、赤矢印のホースバンドをマイナスドライバーで緩めてエアクリBOXに接続された太いゴムホース(エアチャンバー)を取り外します。


↑「エアクリBOX本体」は底面部分が2箇所が固定されているので(正確には背面も1箇所固定されていますが)・・・


↑「エアクリBOX本体」を両手で持ってスライドさせるように手前に引くと・・・


↑底面部分の2箇所の固定が外れます(同時に背面部分の1箇所の固定も外れる)。


↑(底面はひょうたん型の穴に固定されていました)、エアクリBOXをそのまま上方向に持ち上げると、エアクリBOX本体がある程度フリーな状態になり・・・


↑エアクリBOX右横にようやく少しだけスペースができ、配線が通るグロメットがわずかに見える状態になりました。


(↑赤矢印のゴムブッシュはエアクリBOX背面にある1箇所の固定箇所)


↑見えると言っても本当に少しだけ見える程度なので、後々考えれば面倒でも横着をせずにしっかりバッテリーを外し、エアクリBOXも完全取り外せば作業がもっと楽だったのではないかと反省しています。

電源ケーブルの引き込み


↑電源ケーブルの引き込みにはエーモンの「配線ガイド(ITEM No.1161)」を使います(これまでにコイツに何度も助けられており、持っていると絶対に欲に立つアイテムです)。


↑グロメットに開けた穴に「配線ガイド」の先端を車内側から差し込みます。


↑配線ガイドのもう一方には「輪っか」が付いているので、そこに・・・


↑用意しておいた電源ケーブル(プラス用とマイナス用の2本)を少し余裕を持って長めに通しておきます。ここまできたらあとは・・・



↑エンジンルーム側に飛び出た配線ガイドをゆっくりを引っ張っていけば・・・


↑エンジンルームと車内を繋ぐバッ直用の電源ケーブルを引き込む事ができました♪


↑赤矢印が今回引き込んだ電源ケーブルです(こちらも後日別の車いじりの際にバッテリーを取り外した際に撮影した画像です)。


↑電源ケーブルを通した後の車内側はこんな感じ。
この配線引き込み作業が出来るようになるとエンジンルームと車内をつなぐ様々なケーブルを自由に追加できるので、後付けフォグランプや後付けイルミのON/OFFスイッチを車内に設置できたり、カメラ用の配線を通せばフロントカメラの設置なども可能になりクルマいじりの幅がより広がると思います。


↑せきねさんは最終的にバッ直用のケーブルとは別にいつかお遊びに使う用のケーブル2本を追加して合計4本のケーブルを通しておきました。

防水ヒューズボックスの設置とバッテリーへの接続

さて、車内からエンジンルーム側への配線引き込み作業が完了したので、次は配線をバッテリーに接続する作業を行います。自前の「バッ直」配線を設置する場合、必ずプラス配線側に「ヒューズボックス」を取り付けてからバッテリー端子へ接続するようにしましょう。ヒューズBOXはとても重要で、配線間違いによるショートや振動や経年劣化で傷付いた配線が車体に触れてショートした場合に、電気が流れ続けることを阻止し車両火災の発生を防ぎます(異常な電力が流れた時点でヒューズが切れるので接続した電装品を壊さずに済む)。

防水ヒューズボックス


↑せきねさんはエーモンの「ITEM No.2889 防水平型ヒューズホルダー」を買ってみました(エーモンの回し者みたいですが)。


↑こんな感じのヒューズBOXです(コードの長さは30cm)。


↑ヒューズBOX本体。ヒューズBOXってスキマだらけの物が多かったりして、どれもロクに固定穴すら無いのに「水がかからないよう上向きに設置してください」とか書いてある製品ばかりで数ヶ月使うと端子部分に水が侵入して赤サビが発生して困ったりするのですが、こちらの製品はかなりしっかりとした防水仕様です(IPX4相当)。


↑キャップ部分に6mmの穴があいており固定しやすいのも嬉しいポイントです。


↑車両側に固定するネジ穴が無い場合には、たいらな面に耐熱両面テープを貼ってボディに接着する事も可能とのこと。


↑キャップを外した状態。もちろん内部にも防水パッキンが付いています。ちなみにヒューズは付属していないので別途用意する必要があります。



↑ヒューズは最近主流の小型の「ミニ平型ヒューズ」ではなく、昔ながらの少し大きめの「平型ヒューズ(画像右側)」が適合します。


↑ヒューズBOX的には「最大15A(アンペア)」まで対応とのことですが、せきねさんはソーラーを取り付けたいだけなので手持ちで一番低容量な「5A」のヒューズを取り付けておきました。


↑さらに一方の配線には「ギボシ端子(メス)」と緑色の「防水スリーブ」、もう一方の配線には「クワガタ端子」を取り付け、配線に「コルゲートチューブ」を巻いた結果こんな感じになりました(過剰保護?)。

バッテリーへの配線接続


↑最後にエンジンルームのバッテリーへ配線を接続します。


↑バッテリーを固定しているステーを利用してヒューズBOXを取り付けます。バッテリーを固定しているナットと共締めでも良いらしいですが、せきねさんはM6のナットをもう1つ用意して・・・


↑ヒューズBOXを固定しました(本当は外側に上下逆向きで取り付けたかったのですが、エアクリBOXが開けづらくなりそうだったので、この向きにしました)。


↑クワガタ端子は90度折り曲げて、バッテリーのプラス端子に固定しました。


↑先に車内から引き込んだ配線にもプラス側には「ギボシ端子(オス)」と緑色の「防水スリーブ」、もう一方のマイナス側には「クワガタ端子」を取り付け・・・


↑プラス側はヒューズBOXの配線に、マイナス側はバッテリーのマイナス端子に接続します。

最終的に配線が目立たないように隠せば・・・




↑「バッ直電源取り出し」完了です♪(あとは車内にソーラーを取り付けて接続するだけです)

まとめ

ある程度クルマいじりをしていると、どこかのタイミングでエンジンルームからの「配線引き込み」や「バッ直電源取り出し」作業をしてみたくなったり、作業が必要になる事があるかと思います。かなり面倒な作業ではありますが、この作業ができるとクルマいじりの幅が大きく広がるはずですので、興味のある方やせきねさんの様に工賃を払う余裕の無い方はぜひチャレンジしてみてください(但し、作業に自信のない方は無理せずショップにお任せしましょう。少しお高く感じる工賃も細かい作業内容を知ればきっと「こりゃ妥当な工賃だな」と思えるはずです)。
また、この後「ソーラーバッテリー充電器」本体の取り付け作業を行いましたので、そちらの作業については以下の記事を参照していただければと思います。